本日、我々の最終目的地。
高崎市片岡町の組合。
私はかつて上野明美から、田嶋光子はここで仕事をしている、と聞かされた。
かつてよくあった海外から研修生を連れてきて、各企業にあっせんする仕事だ。
いわゆるブローカーってやつだ。
前橋から高崎の市街地を抜け、川を渡ったその先に、それは…なかったのだ。
そこにあるはずの建物がなかったのだ…。
組合の跡地は駐車場になっており、車が1台停まっているだけだった。
目的地にたどり着いた。
しかし、目的の建物はなかった。
我々3人は、しばし、その場に立ちつくしてしまった。
いや、めげていても仕方ない。
近所の人に聞き込みだ。
私は、組合があった2軒隣の元電器屋に声をかけた。
対応してくれた老婆は、組合のことはよく知らないと言った。
「あまり、近所づきあいしなかったからね。でも、ときどき、中でなにかをしている女の人はいましたよ、えぇ」
「その人は、田嶋さんという名前ではないですか?」
「いや、名前までは…。そういえば、もとあったところの奥に、確か、タジマさんって人が住んでいますよ」と、親切な老婆は言った。
タジマが住んでいる?たまたま同じ名前の別人なのか?
これは偶然なのか?必然なのか?
我々は、タジマ何某が住むという、その家に向かった。
なんだここは?
ずいぶんと、とっ散らかった家だ。
本当にここに人は住めるのか?
軒下に何台も洗濯機が放置されているのが目につく。
人の住んでいる気配は、あるような、ないような…。
表札代わりに掲げられている小さな看板。
そこには、組合の名残があった。
GEO 共同組合 ぐんま環境ビジネス研究会 研修センター
我々は、思案した。
ただ単に名札が残っているだけなのか?
それとも、まだ組合の活動は、細々と行われているのか?
タジマという人物は、ただの偶然なのか?
謎は深まるばかりである。
我々は、次に隣町の乗附町へ行った。
そこは、田嶋三郎で検索したら、電話帳に載っていた町だ。
田嶋三郎氏に電話はまだしていない。
もちろん、別人の可能性もある。
いずれは電話をするかもしれないが、今の時点では、時期尚早と判断している。
上野育夫が言っていたように、警察が動いている可能性もある。
乗附町での収穫はなかった。
いい加減疲れたので、我々は高崎を後にした。
途中、上野と田嶋のランデブーポイントである玉村の道の駅に立ち寄った。
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