2025年7月31日 前門の虎後門の狼 「1000万円欲しかったから…」

 


7月31日。

今日は約束の日。返済期日の最終日。

「月末までに2000万円戻ってくる!」そう勢い込んでいた上野明美。

しかし、今日にいたって音沙汰なし。

もう、明日は8月である。

つまり、期限切れ、アウト、ご苦労様。


本日の私は夜勤明け。

午前中、軽く仮眠をとって、午後から子供たちを連れてプールに行こうとしていた13時30分。

上野から高田のばあさんに電話があった。

なんか、上野からの電話ぽかったから、そばで聞き耳を立てながら、高田のばあさんの電話を聞いていた。

「なにやら今月は無理そうだ」というような電話の内容だった。

「今月は」じゃなくて「今月も」だろ?と、私は心の中でつぶやいた。

電話が切れると、私は高田永子にその内容を尋ねた。

やはりそうだ。

7月中にお金を返すことは無理だ、という内容の電話だったとのこと。

「今月は1000万無理だって…」高田のばあさんは、力なくそう言った。

「あぁ、そうなんだ」と私は言葉を返した。

ん?なんで1000万なんだ?返ってくるはずのお金は2000万だったはず…。

1000万円は追加で12万円用意したら、という話の数字であったはずだ。

まさか…

「まさか、あんた上野にお金渡してないよね?」

「…」否定することなく無言で固まる高田のババア。

「はぁ~~~~」私は自分でも信じられないくらいのため息をついていた。

「もしかして、お金渡したの?」

「渡したわけじゃない。事務手数料を出したの」

「いくら」

「12万」

「だって、あなた、お金もってないでしょ?」

「妹に借りた」

「はぁ~~~~~」私は一生分のため息を使い果たしたと思う。

「だって、今月中に戻ってくるって言うから」

「へ?まだそんなこと言ってるの?何年、そんなこと言ってるの?」

「5年だよ」

「…」筋金入りのバカを目の前にして、私は言葉を失っていた。

「なんで、そんなことしたの?あれほど金をわたすな、って言っただろ?」

「渡したわけじゃない、出しただけ」

「出した?じゃななんでそんな金出したの?」

「だって、1000万欲しかったから…」


高田永子は筋金入りのバカであり、(筋金入りの)プロの詐欺され人のようだ。

あれほど、寺田氏の協力を得て、高田のばあさんが上野にお金を渡せないようにしていたのに…。

妹から借金をしてまで、高田永子は上野明美にお金を渡していたのである…。

なんなの、このばあさん?何かの依存症なの?


上野の相手だけをしていたら、後ろから高田のばばあにかぶりつかれた。

そして、私はダメもとで上野明美に電話をしたのだった。



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