上野明美と話をしていると、「信用」という言葉が頻繁に出てくる。
普段の人の生活では、「信用」という言葉はあまり聞かれない。
なぜならば、「信用して!」という言葉を使った時点で、信用してもらえない状況にあるということで、「信用して」という言葉自体、「(信用できないかもしれないけど)信用して」ということであり、暗に自分は信用ならない人物であると示唆してしまっているからだ。
普通の人なら、「信用して」という言葉に、上記理由で(この人は、信用できないな)となる。
しかし、バカだと話は違う。
バカは文字通り、「信用して」の言葉を信用してしまう。
バカなので、その言葉の裏にある意味を読み取れない。
詐欺られる人の大半は、「私を信用して」という言葉を鵜呑みにしたかわいそうな人、ではなく、ただのバカなのだ。
多くの詐欺師は「信用して」を多用する。
なぜならば、「信用して」というバカなセリフを信用するバカの方が、いいお客さんになるのだから。
上野や高田にとってのよりどころは、もう「信用」しかないのだと思う。
「大丈夫、今月中には、お金は入ってくるから」
このアホみたいな口約束を信じる源は何か?
信用、しかないと思う。
また、彼女ら末期のネズミたちは、もう信用するしかないのだと思う。
親ネズミたちに対して、自分たちのできることは信用。
信用してお金を渡し続けるしか、他に道はない、といった具合。
そして、信用からくる仲間意識。
上野は親玉のネズミである大崎が、「私のせいで警察沙汰にならなくてよかったよ」と言っていた。
自分たちの正しい行動のため、自ら身をていして親玉を守る、実に仲間意識の強いネズミたちである。
また、「私が田端さんを越えて、大崎さんとつながるのはおかしな話でしょ?道理じゃないでしょ?」と、ネットワークネズミたちの“筋論”について話した。
目に見えない上下関係や序列を守ってこそ、仲間意識も強化されるのである。
信用と仲間意識が培った信頼関係。
上野は一度、田端ともめたことがある。
大もめした上野は、その時ネットワークから切られるかも、とガクガク震えた。
もし切られたら、今までの行いが、すべておじゃんになってしまう。
不安に過ごす上野ネズミに、親ネズミが手を差し伸べたのだろう。
「私たちは、たまにはこういったケンカもするけど、仲間なのだから、一緒にやりとげましょう」
こんな信頼関係にあるネズミネットワークだと思う。
このようなネズミネットワークに我々人間が太刀打ちできるのか?
できるかではなく、やらなければいけないのだ。
>>>ネットワークとは何か?
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