上野明美が怒った理由 「借りたけど、借りてない」 ネットワークにおける二律背反のジレンマ


 上野明美と接していて、以前から私が不思議に思っていたことがある。

それは、上野が高田永子からお金を“受け取っている”ことを、あっさり認め、なんなら借金としても自覚していることだ。

なぜ上野は高田からのお金を自分のものとして、認めるのだろうか?

理由の一つに、自分たちのやっていることは正しく、お金はいずれ戻ってくるので、誰のお金とか別に関係ない、との信念があるからだろう。

「私のお金も、高田さんのお金も、同じに戻るように頑張っているの」という上野の主張もうなづける。

しかし、8月26日の口論?一方的な上野のガチャ切り電話の後、私はいくばくかの違和感を覚えた。

上野は「自分が受け取っていることは認めるけど、それは高田さんも承知の上だよ」と繰り返す。

仕方なく借金として認めはするけど、普段は「受け取る」とか「預かる」という言葉を使っているように思える。

これはいったいなぜだろう?なんなのだろう?


よくよく考えれば簡単なことだ。

私は、上野と高田、二人のばあさんの「これは投資でもなければ、ネットワークビジネスでもない」というネズミの言葉を鵜呑みにしていたのだ。

違う違う、そうじゃない。

構造としては、「投資詐欺+ネットワークビジネス+ネズミ講」のハイブリッドの劣化したものが、上野たちのネズミネットワークなのだ。

やっていることは、投資詐欺であり、ランク付けをしている時点でネットワークビジネスなのだ。

ネットワークにランクがあるからこそ、親ネズミの上野が、子ネズミたちのお金を、自分の名簿的なところに入れないと、ポイント的な何かが付与されないのだ。

それゆえに上野は良くも悪くも、いったん自分の手元にお金を“預かる”必要があるのだ。

自分がお金を預かる、なんなら借り受けることで、上野自体の報酬(心理的・金銭的)につながるわけで、上野の子ネズミたちが勝手に上位ネズミに上納してしまったら、上野の報酬はもちろんなくなってしまう。

その意味においては、これは立派なネットワークビジネスの形態といえる。

上野明美は、上野ネズミグループを取りまとめ、お金を収集するだけでなく、リーダーとして、「最高に甘い蜜をもらえる」という夢を見させてもらっているのだ。


そんな上野のポジションは、「私はみんなにお金を借りているけど、ただ上に渡しているだけ」というものであり、ポイント付与のために「私のお金じゃないけれど、私のお金にしないといけない」というものでもある。

お金を預かる行為において、その預り金によって甘い汁が吸えるポジションの上野は、「お金を借りた」と不承不承ながら認めざるを得ないのだ。

上野明美のあの怒りは、「自分はお金を借りたけれど、借りたわけではない」という二律背反のジレンマによって起こっているのだ。

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