Cと電話した後、上野は寺田に電話した。
どうしても70万がほしい、なんなら20万でもいい、しかも今週中にほしい…。
一縷の望みをかけて、上野は寺田に懇願するのだった。
【以下録音内容を抜粋・加筆・訂正等】
「あたしね、金曜日までに70万欲しいんですよ。高田さんに話したら、FXで何とかなるかなって言ってたけど…」
「ボクも最後にCさんを信じてみようと思って。1500ドル送ったんですよ」
「で、それで、もしそれがダメだったら、寺田さん他のを…」
「ボクね、いつも20日、お給料が入るんですよ。200万」
「あ、そんなに入るんだ」
「それはドルじゃなくて、日本円で入るんで」
「それはいつなん?」
「20日なんです」
「でも、20日だとね、いいんだけど、20日だと待ってもらえないと思うんだよ」
上野としては、遠くの200万ではなく、近くの20万を求めているのだ。
「それはちょっと田端さんとか大崎さんに相談してもらって」
「でも、それが本当に20日に入って、それは信じるんだけど、本当に貸してもらえるのか。本当に貸してくれるなら、20日まで待ってもらいたいとは言うことはできるんだよ」
「20日に入ってくるから、24とか25になっちゃうな」
こちらとしては、20日入金だから、24日なら払えるって何度も言ってるんだけど。
Xデーは、9月24日って決めてるの!
ばあさんがきちんと話を聞かないから、毎回、話が長くなるんだろうな。
「今週は1500ドルしか用意できなくて、Cさんにそれだけを送ったんですよ」
「そうそう、田端さんにもそういうFXの関係だから、ダメだったら30万だけだよって言ってあるんさ」
だったら30万でいいやん!欲張りババア。
「あぁ、そうですか、ごめんなさいね、はい」
「そしたら、Cさんが木曜日の夜にFXやるっていうから、金曜日の朝にはわかるから。いくら出せるかがわかるから、出せない場合は穴埋めをしなくちゃならないからさ。それをさ、20日までとか待っていると、また何か事が起きると」
金が集まった段階で、また別の名簿メンバーが4ぬんだよ!自分でもわかってるじゃん。
「24か25なら絶対お会いできて、お金も渡せるので、それは大丈夫ですので」
「そしたら、私、15万借りた人がいるでしょ、その人に返すのに、寺田さんから借りたいな」
牧師から引っ張った30万で、ガンの人に返せよ!
でも、これで上野と寺田氏を合わせる口実はできたわけだ。
「本当は30万のうちの15万で、ガンの人に返したいんだけど、15万だけだと大変だから…」
大変って何?言い訳するのに、いい言葉が見つからないんでしょうね。
「結論として、Cさんが20万用意できれば、それでいい。用意できなければ、30万だけ渡す。うん、わかりました。だから、田端さんにやるのとは別で、寺田さんに借りたい」
寺田からの借金の確約を取り、上野明美はそっと受話器を置いた。
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