11月6日、この日も上野明美は高田の家にやってきた。
上野の家族も動いている、警察も動いている、私も動いている…。
ということで、上野自身も必死に何かをしようと動いているようだ。
基本的に上野は、私と私の嫁(ヒカリ)がいないときに、高田の家にやって来る。
朝、8時、家に車が2台なければ、二人は仕事に行っているということだ。
この日は、嫁が旗振りだったので、たまたま8時には車がなく、上野はそそくさとやってきたようだ。
旗振りを済ませたヒカリは、見知らぬ車があるのに気づき、極力音を立てずに家の中に入った。
耳を澄ますと、母と上野が話している声が聞こえてくる。
ヒカリは私に電話してきた。
「上野が来てるけど、どうする?電話代わる?」
「う~ん…」
私は、しばらく唸った後、やめておいた。
仕事に行く途中の大渋滞にはまって、ピリついていたし、マイナス感情の勢いで下手に上野を刺激しても仕方ない。
私との電話を終え、ヒカリは、きちんと話を聞こうと、廊下に回り、母と上野の会話に耳を澄ませた。
「田端に電話したけど…来週くらいには…一緒にご飯食べた人は…」
「不動産の方は、もう話を通してあるの…」
「…証書…これから取りに行く…きょうさん…証明…」
「東京の人…見に来た…」
ざっくりとした話の内容は、こんな感じのようだ。
私との電話で、ヒカリは私から「きちんと話の出来る人と話をさせて、って上野に伝えて」と伝言を預かっていた。
その伝言を、ヒカリは上野に伝えた。
その時の上野の様子を、ヒカリは私にラインで送ってきた。
上野は、ひどく憔悴していて、眠れなくてクスリを飲んでいる。
電話が怖い。
誰かに追われている(気がする)。
精神やられて統合失調症だよ。
(※ヒカリは、長いこと精神病院にいた。
幸いなことに、患者ではなく、ナースとして。)
病気だから、病院に行ってください、とヒカリは上野に憐みの目を向けて言った。
「ダメならダメって、はっきり言ってくれれば、私も諦めがつくけど、延期されている理由を言ってくるから。
なんとかなるからと言い続けられて必死にやってる」
ヒカリは上野明美が放ったこの心境を、なんとなく想像してみたが、やはり理解ができなかった。
二人の老婆を目の前にして、雑念のように、本音が浮かぶ。
(この二人は、狂ってる…)
>>>休止致します
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